水素エネルギーエンジニアリング
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当社の水素エネルギーへの取り組み・事例
複合型改質器
家庭用燃料電池システム用改質器の開発では、大学と共同で1kw級PEFC用改質器の開発を行い、当時世界最小クラスの複合型改質器を開発致しました。
ISプロセスによる連続水素製造試験設備
2013年度に、(国研)日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターに、硫酸やヨウ化水素を用いた化学反応を利用し、熱エネルギーによって水を分解し、水素と酸素 を生成するISプロセスによる連続水素製造試験設備を納入致しました。
ISプロセスの原理
ISプロセスは、ヨウ素(I)と硫黄(S)の化合物を利用した3つの熱化学反応を組み合わせることにより、水を熱分解する化学プロセスです。高温ガス炉から供給される300~900℃の熱を用いて、硫酸やヨウ化水素の分解することによって水素と酸素を生成致します。水以外のヨウ素、硫酸等の反応物質が、プロセス内で繰り返し使用される閉サイクル性が大きな特長です。
([出典](国研)日本原子力研究開発機構)
アンモニア合成試験設備
2017年度に、(国研)産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究センター向けに、アンモニア合成用の新触媒の性能確認として、アンモニア合成試験設備を納入しております。
産総研では、再生可能エネルギーを利用して製造した水素(再エネ水素)からのアンモニア(再エネアンモニア)の合成を実現するために、圧力を上げると性能が低下するルテニウム触媒特有の問題を克服し、10 MPa(約100気圧)以下の圧力範囲で高い活性を維持できる新規触媒を作製致しました。日揮(株)殿が本触媒を用いて開発したプロセスにより、供給量が変動する再エネ水素からのアンモニア製造が可能となり、本触媒を搭載した実証試験装置を福島再生可能エネルギー研究所殿に建設して、本格的に実証試験を開始した。アンモニアは、水素貯蔵物質として有用で大量に輸送でき、さらに、アンモニア自身が燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料としても用いられることからエネルギーキャリアとして期待されております。
([出典](国)産業技術総合研究所)
水素混合ガスの供給利用実証事業
2018年度、2019年度にかけて環境省の再エネ電解水素の製造貯蔵および水素混合ガスの供給利用実証事業を進めています。LPG改質および水電解装置からの水素を混合し、都市ガス相当の熱量のガスを製造致します。製造したガスは模擬住宅に送り、市販されているガス器具等で燃焼させることができます。
実証事業の概要
風力発電により水素を製造し、都市ガスに類似したガスに混合致します。同混合ガスをガス配管により隣接地に設置した利用場所へ供給し、市販ガス機器において、水素混合ガスを実際に使用致します。
水素ステーション低コスト化
現在、オンサイト型水素ステーション用水素製造装置は、装置のコストを5,000万円以下にする為の開発が進められております。しかしながら従来の水素製造装置では、装置を構成する機器類の点数の多さから価格目標を達成するためには更なる技術開発が必要と思われます。
当社では2013年度にNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)【水素利用技術研究開発/燃料電池自動車及び水素ステーション用低コスト機器・システムに関する開発】事業において(オンサイト型水素ステーション用低価格水素製造装置の開発)を採択頂き、【水蒸気改質器】【CO転化器】【蒸気発生器】を高度に一体化した複合型改質器を水素製造装置に搭載することで、水素製造装置を構成する機器点数を従来の2分の1以下に削減した小型で低コストである水素製造装置を開発して、FCVの普及に貢献する事を目的に開発を行いました。
水素製造装置の目標コスト:5,000万円以下を達成する。(100Nm³/h)
都市ガス改質水素供給設備について
従来型改質器を搭載した水素製造装置システムフロー(参考)
複合型改質器を搭載した水素製造装置システムフロー
複合型改質器のタイプ・構造
- 原料ガスは混合器で水蒸気と混合して低温シフト反応用触媒層(発熱反応)の内側と外側に設けた伝熱粒子層を通過する際、低温シフトの反応熱を吸収しながら加熱されます。
- 更に加熱された原料ガスは高温シフト反応用触媒層(発熱反応)の内側と外側に設けた予備改質反応用触媒層(吸熱反応)を通過する際、高温シフトの反応熱を吸収して一部改質されます。
- 一部改質された原料ガスは下部の改質反応用触媒層(吸熱反応)で燃焼器からの燃焼熱により本改質されます。
- COを含む改質ガスは高温・低温シフト反応用触媒層を通過することによりCOの濃度を低減して、改質ガス精製装置(PSA)に送られます。
- 改質反応に必要な水蒸気は改質反応用触媒層の外側に設置した蒸気発生器で生成するします。
- 燃焼器は複合型改質器の中心に設置し、外装の断熱材は高性能断熱材を採用して改質器の小型化を図ります。